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2023.06.22

ホワイト企業の特徴と見分け方

ホワイト企業に明確な定義はありませんが、一般にコンプライアント意識が高く働きやすい企業をホワイト企業といいます。従業員の満足度が反映しやすいため、離職率の低さがホワイト企業を見分ける重要な要素です。ほかにも、研修制度や福利厚生の充実などが挙げられます。

ホワイト企業を見分けるために、ホームページや口コミサイトなどで事前に調べるほか、面接中や面接後でもさまざまな情報を活用して判断することが可能です。説明会や求人票にもホワイト企業を見分けるヒントが見つかる可能性があります。

ホワイト企業の特徴

ホワイト企業には次のような特徴が挙げられます。

  • 従業員の離職率が低い
  • 福利厚生が充実している
  • 研修が充実している
  • 悪い口コミが少ない
  • 従業員の印象が良い

従業員の離職率が低い

ホワイト企業では従業員の満足度が高いことから離職率が低い傾向にあります。離職率が低い理由として、働きやすさや研修制度、福利厚生などが充実している点が特徴です。ほかにも、市場シェア率が高かったり新規参入がむずかしかったりするなど安定した利益を出せることから業界が安定している場合もあります。業界の安定度は従業員の満足度にもつながり、高い水準で安定している業界ではホワイト企業が多い傾向にあります。

福利厚生が充実している

福利厚生が充実していることで、従業員がより働きやすい環境になります。生活が安定することから従業員の満足度が上がり、業務の生産性が高まることも考えられます。特に、住宅手当や産休制度、家族手当などの法定外福利厚生が充実している企業は従業員を大切にしている可能性が高くなります。

研修が充実している

ホワイト企業は研修制度が充実していることが一般的です。新人研修をはじめとして、入社後もさまざまな研修を展開することで積極的に人材育成に取り組んでいます。企業が取り組んでいる研修内容は公式サイトに記載されていることが少なくありません。研修内容を確認することで、自分に合うかどうかを判断することが可能です。

悪い口コミが少ない

ホワイト企業は一般的に悪い口コミが少ないという特徴があります。企業に対する悪い口コミが広まっている場合は注意が必要です。しかし、退職者の中には勤めていた企業に対して個人的に悪いイメージを持っている場合があります。口コミは個人の意見であり正確な情報であるかわからないため、鵜呑みにする必要はありません。

従業員の印象が良い

ホワイト企業であれば、面接官以外の従業員が好印象である可能性が高いといえます。問い合わせをする時や面接に行ったときなど、面接官以外の従業員を確認することが大切です。挨拶をしても返事がなかったり、表情が暗かったりする従業員がいる企業はホワイト企業ではない可能性があります。

求人情報でホワイト企業を見分けるポイント

求人情報ホワイト企業を見分けるためには次のようなポイントが挙げられます。

  • コンプライアンスが徹底している
  • 評価制度を明確に提示している
  • 福利厚生が充実している
  • 従業員の年齢層が偏っていない

コンプライアンスが徹底している

ホワイト企業はコンプライアンスを徹底している点が特徴です。労働基準法に則っていること以外に社内ルールの遵守や社会的良識などが企業が掲げているコンプライアンスに含まれる場合もあります。全従業員がコンプライアンスを守るための研修制度をはじめとした制度が充実しているかどうかを判断することが重要です。

評価制度を明確に提示している

自分の成果が正当に評価されないと、モチベーションが落ち、より評価してくれる企業に転職したいと考える可能性があります。ホワイト企業は、働きに対する評価制度が明確であることが一般的です。評価を明確にすることにより、従業員満足度が高まります。

福利厚生が充実している

ホワイト企業は福利厚生の充実している点が特徴の1つです。福利厚生には社会保険料をはじめとした法定福利厚生以外に、健康診断や住宅手当などが含まれる法定外福利厚生制度があります。

さらに、資格取得支援制度や関連施設を格安料金で利用できる制度などさまざまな福利厚生が準備されている場合があります。給与が同じでも福利厚生の充実度によって従業員の満足度が大幅に異なるため、必ず確認しておきたいポイントです。

従業員の年齢層が偏っていない

ホワイト企業は従業員を大切にする傾向にあることから、離職率が低い特徴があります。そのため、比較的従業員の年齢層が偏っていないことが特徴です。創業して間もない企業のように状況によって一概にはいえませんが、年齢が偏っていると離職率が高い可能性があります。

面接前にホワイト企業を見分けるポイント

面接前にホワイト企業を見分けるために次のようなポイントが挙げられます。

  • 離職率を確認する
  • 求人票を確認する
  • 説明会で聞く
  • 口コミサイトを活用する
  • 労働組合が機能している
  • 内部留保がある

離職率を確認する

ホワイト企業は、従業員の満足度が高いことから離職率が低い傾向にあります。離職率は上場企業であれば就職四季報で調べることができ、ほかの企業であってもハローワークで確認することが可能です。求人票に記載されていない場合でも、ハローワークに確認することで教えてくれる場合があります。

厚生労働省が発表している2021年度の新規学卒就職者の離職状況によれば、新規学卒就職後3年以内の離職率は、高卒で36.9%、大学で31.2%です。(参考:新規学卒就職者の離職状況(厚生労働省)

このことから、新卒であれば3年後の離職率が30%未満であれば離職率は決して高くはないと判断できます。

求人票を確認する

求人票には年間休日日数や残業時間、離職率などのデータが記載されています。企業に求める条件は求職者一人ひとりによって異なるため、自分にあった条件の企業を選ぶことが可能です。離職率は記載されていないこともありますが、ハローワークのような機関で確認をできる場合があります。

説明会で聞く

企業によっては面接前に説明会を開催しています。説明会では企業の理念や取り組み、求める人材などさまざまな情報を提供することが一般的です。さらに、直接企業の経営者や従業員と顔を合わせられるため、求職者にとっては企業のイメージをしやすくなります。

質問をできる機会のあることがほとんどであるため、面接前に不安なことや疑問に思っていることを確認することが可能です。説明会での対応によってホワイト企業であるかどうかを判断できる可能性があります。

口コミサイトを活用する

就職活動において、企業の口コミを活用することで働いている人の声を知ることが可能です。口コミサイトには求人サイトに掲載されていない情報も多く、企業に関するマイナス面も記載されています。企業のマイナス面も理解したうえで就職をすることは重要です。

労働組合が機能している

面接前にホワイト企業を見分けるために労働組合が機能しているかどうかを確認することが大切です。労働組合は従業員が主体となって構成されており待遇面をはじめとして、企業に改善を求めることが目的です。

しかし、中小企業であれば労働組合がない企業が多く、労働組合がないからといってホワイト企業でないとはいえません。あくまで大企業向けの目安として考えることが必要です。

内部留保がある

ホワイト企業の特徴として、内部保留が挙げられます。内部保留とは企業が持つ預金であり、会社四季報で利益余剰金の項目で調べることが可能です。未上場の企業であっても、未上場版の四季報を使うことで確認できます。

面接時にホワイト企業を見分けるポイント

面接時において次のようなポイントを意識をすることでホワイト企業かどうかを見極められます。

  • 業績や待遇面などを明確に説明している
  • 入社の意思を何度も確認しない
  • 内定承諾を無理にしない
  • 良い職場環境である

業績や待遇面などを明確に説明している

面接時において必ず確認したいのが業績や待遇面などです。ホワイト企業であれば業績や待遇面、残業時間など明確な数字を提供することが一般的です。しかし、明確な数値を出せないようであればブラック企業の可能性があります。明確な数値を提示しない場合や曖昧な内容がある場合は、面接時によく確認をすることが重要です。

入社の意思を何度も確認しない

従業員の入れ替わりが激しい企業ほど入社の意識を何度も確認する傾向にあります。ホワイト企業であっても入社の意思確認はしますが、1回の面接で何度もおこなうことはまれです。ホワイト企業は応募者の意思を尊重することが一般的ですので、過剰に入社の意思を確認することはほとんどありません。

内定承諾を無理にしない

求職者は複数の企業に応募することが一般的です。ホワイト企業であれば、内定承諾を無理に焦らせることはありません。内定者の意思を尊重することがほとんどです。強引に内定承諾につなげる企業や面接の合否が早すぎる企業であれば注意が必要です。

ホワイト企業であれば、応募者が企業に合っているかどうかを吟味するため時間をかけて面接の合否を決定します。そのため、結果を連絡するまで10日間前後かかることは少なくありません。ブラック企業はすぐに人材を確保したいことから、当日から数日で合否を出す傾向にあります。

良い職場環境である

職場環境は仕事のしやすさに影響します。機会があれば面接時に会社見学をさせてもらい、職場の雰囲気を確認することが重要です。怒号が聞こえてきたり、受付の方から挨拶がなかったりすると職場環境が悪い可能性があるため注意が必要です。

ホワイト企業認定制度

ホワイト企業は明確な基準で設定されているわけではありません。しかし、国や民間団体がホワイト企業を認定する制度があるため、ホワイト企業かどうか判断する基準にできます。

ホワイト企業認定制度の代表的な例は次の2種類です。

  • 安全衛生優良企業認定
  • ホワイト企業認定

安全衛生優良企業認定

安全衛生優良企業認定とは、厚生労働省が認定している制度であり労働者の健康や安全確保対策に取り組んでいる企業が認定されるのが特徴です。安全衛生優良企業が取り組んでいる事例や企業一覧は厚生労働省が運営している職場のあんぜんサイトで確認できます。

「安全衛生優良企業公表制度」は、労働安全衛生に関して積極的な取組を行っている企業を認定・企業名を公表し、社会的な認知を高め、より多くの企業に安全衛生の積極的な取組を促進するための制度です。

引用:安全衛生優良企業公表制度について(安全衛生優良企業認定)

ホワイト企業認定

ホワイト企業認定は一般社団法人日本次世代企業普及機構が運営している、ホワイト企業を増やすために設定された認定制度です。優良企業を認定することによって企業価値を上げることを目的としています。人材育成や従業員のワークライフバランス、リスクマネジメント、ダイバーシティやインクルージョンなどさまざまな観点において企業を評価して、ホワイト企業であるかどうかを判断しているのが特徴です。

一般財団法人日本次世代企業普及機構(通称:ホワイト財団)は、“次世代に残すべき素晴らしい企業”を発見し、ホワイト企業認定によって取り組みを評価・表彰する組織です。

人々がそれぞれの個性と特徴を活かしながら。溌剌と創造的に働く。そのような企業であふれ、明日が楽しみに思える社会の実現を目指します。

引用:ホワイト企業認定について(日本次世代企業普及機構)

まとめ

ホワイト企業の見分け方には、コンプライアンスを徹底しているかどうかをはじめさまざまな手法があります。ホワイト企業は、従業員が働きやすいような環境があり世間から高い評価を受けていることが特徴です。厚生労働省や日本次世代企業普及機構では、ホワイト企業と認定した企業を公開しています。

しかし、働きやすい条件は個人によって異なるため、説明会に行ったり、求人票を確認したり、面接時に質問をしたりするなどして求職者本人が自分で情報集めをすることが重要です。

この記事の執筆者

ropro編集局-コラム編集担当

ropro編集局-コラム編集担当

ropro編集局は、企業に関する正確かつ客観的な情報をお届けするため、求職者に役立つコラムを提供しています。採用や就職に関するトピックを専門に扱い、皆さまのキャリア形成をサポートします。

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